—— 僕は、”優しい”らしい。
—— 誰かにとって、例外はなく。
君は優しい。
誰か、という対象が無くとも。
—— 僕は他人に興味がない。
—— 効率よく自分の感情を
処理することが処世術だから。
君は、愛することに誠実だ。
たとえ胸を痛める結果だとしても。
”生きる”ことから逃げない強さがあるから。
—— 僕は、誰かに頼ることを
—— あきらめてる。
—— それを隠して、
—— 隠しきれなくて。
—— 人が離れることを怖がって、
—— 怖がって、寂しがる。
君が僕の前に現れたとき、
”愛する”の意味を教えてくれた。
無邪気に笑って、怒って、悲しがって、
少しのことで嬉しがって…
素直に気持ちを伝えてきて、
こっちの気持ちなんてそっちのけで…
いや、本当は誰よりも、
僕のことも
君自身のことも
たくさんたくさん
一生懸命に考え抜いて。
いつの間にか癒されてた。
僕を包み込んでくれてる。
そんな、愛情を注いでくれた。
—— 僕も、君のように
優しい人でありたい。
—— 君の隣は…
ここはなんだか、
あったかくて…
心地がとても良い。——
-完-
このお話は主人公「僕」が
天然石であるクンツァイト「君」と
出会った世界という物語を描いた作品です。
作品名:石の物語
『クンツァイト』-君と、はぐくむ。-
作者 :みなづき村長
『クンツァイト』 石言葉
「思いやりの心で包む、大切なのは愛情を注ぐこと。」
最後まで…
読んでいただきありがとうございました。
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